夜の匂いのはなし
窓を開けたら夜の匂いがした。
わたしはこの春の夜の匂いが好きだ。
少し肌寒くてなんとも言えない気持ちになる。
「寂しい」や「切ない」ではなく、なんかこう、言葉では表すことのできない気持ち。
「この匂いを嗅ぎながら 誰かと手を繋いで歩きたいなぁ」と思いながら バイト帰りの夜道をひとりでよく歩いたものだ。
実際は いざ好きな人と夜道を歩いても その人のことで頭がいっぱいで夜の匂いなど気にもならない。気にする余裕もない。
好きなのは春の夜だけではない。
夏と冬の夜も素敵な匂いがする。
夏の夜は「好きな人と夏祭りや花火大会に行きたい」気持ちを増幅させる。
冬の夜は「嵐のBeautiful daysを聴きたい」気持ちを掻き立てる。
Beautiful daysを聴きながら冬の星空を眺めるのはとても良い。
空に輝くよキラリ〜
ロマンティックでセンチメンタルな夜だ。
ロマンティックでセンチメンタルな雰囲気を壊すようで申し訳ないが、本当のところは 大都会大阪なので星などもちろん全く見えない。
もう一度窓を開けて夜の匂いを嗅ぎ 今日はどんな夜空か確認しようかと思ったが、もう布団を被ってるのでやめにする。
どんなに素敵な夜の匂いも星空も 布団には勝てない。布団は最強。布団は正義。